建築士の憂鬱 その2

みなさん、こんにちは!
くうねる・サンダンスです。
最近、リフォームのご相談を受けることが多くなりました。

リフォームの場合は新築と違って、実際お住まいになられている住宅を見させて頂きながらお話をお伺いしないといけないので、築20年、30年、40年といった具合に、いろいろな築年数のお住まいを見る機会もおのずと増えています。

また、木造だったり、鉄筋だったり、鉄骨だったりと、構造もさまざまなので、リフォームの話をするにはそれなりの知識と経験が必要で、自分で言うのも何ですが、僕は頭は悪いものの、残念ながら経験だけは豊富で、ある程度の事は分かっているつもりです。

そこで、次回にリフォームのお話はするとして、今回はそのようなリフォームの現場で必ず登場する古い図面のお話です。

僕が新卒で住宅会社に入った頃は、会社にコピー機やプリンターが存在するということがまだ珍しい時代だったので、図面はトレーシングペーパーに鉛筆書きかロットリングペン、そしてその原図を大事に保管して、複写するときは青焼き機というもので1枚1枚手差しでそーっと複写していました。

この青焼きは、簡易的な写真製版のような仕組みだったと記憶しています。

現像液のようなにおいのきつい液体を機械に注ぎ込み、青く複写される線の色合いを確認しながらスピード調整し、時には裏焼きというテクニックを駆使して、先輩、2部ずつでいいんですね!と言って、ピッと2を押すことなく、2回同じ作業を繰り返すだけという、しちめんどうくさい事をやっていました。

なので、お客さまが30年前の青焼き図面とか引っ張り出して見せてくれた日には、その図面の色合いやにおいだけで社会人なりたての頃を思い出し、○○さん大丈夫ですか?と心配されるほど、ぼおーっとなって遠くを見つめてしまいます。

いかんいかんと気を取り直して、図面を確認していくのですが、ああ、昔はこんな大量の図面をよく手書きで描いてたなあと、またまた感傷に浸ってしまいます。

この青焼きという複写方法ですが、意外と寸法が狂いません。だから、図面を書くときには鉛筆を尖らせて正確な寸法で線を引っ張らないといけません。

コピーだと機械の精度にばらつきが有って、縦横寸法が狂ったり歪んだりすることが今でもあります。

歳をとって老眼など目が悪くなると作図が出来なくなるので、設計者としてはもう終わりでした。

でも今はCAD画面でいくらでも拡大して、そして鉛筆を研ぎらせることなく零コンマ何ミリの誤差も無く描けて、何枚も素早くプリントアウトすることができます。

線をいかにきれいに正確に描くかではなく、いかに早くキーボードを叩けるかで設計者の作図能力が決まります。

良い計画だけでなく、うまい作図もひっくるめて設計者の質が問われた時代を経験しているだけに、設計者によって癖のあるというか、味のある青焼きの手書き図面をみると、よりその設計者の想いが伝わってくるのは僕だけでしょうか?

それでも、まだ建築士の試験は手書き図面が必須になっている事だけが救いでしょうか。

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